榊 貴美(サカキ キミ)
1983年04月05日和歌山県生まれ現代美術家
東京造形大学美術学科卒業、同大学大学院修了。国内外での個展・企画展等の作品発表と並行し、クリエイティブユニットS+N laboratoryを結成、別分野でも活動の幅を広げる。和歌山県「熊野」の地に生まれ、自然の美しさや豊かさと、自然の脅威、という両極の存在と身近に向き合い、こども時代を過ごす。生活の上でも作品をつくる上でもそのような両極が同時に存在するということは、自身の中で重要な意味を占めてきた。不可分の関係に興味を持ち作品を展開。来年秋には佐藤美術館で個展の開催を予定している。自身の作家活動とは別に展開してきたS+N laboratoryでは、ワークショップを含んだ参加型アート等を中心に、プロジェクト、コラボレーション、美術協力等、多岐にわたる活動を行う。活動の特徴として、人と町そして社会との関係を持ち展開している。
【第14回日本文化藝術奨学金受給 (2009年度)】
25周年記念助成対象企画概要
- ◆【紀の国トレイナート】駅舎アート「COME AND GO」<2018/8/18-9/24/JR朝来駅(和歌山県西牟婁)>
- ◆【紀の国トレイナート】「つむぐワークショップ」<2018/8/18/JR紀伊田辺駅コンコース(和歌山県西牟婁)>
紀伊半島の海岸線にある12の街をつなぐ列車と駅舎アート企画の「紀の国トレイナート」に、白浜町出身の作家が西園政史氏とのクリエイティブユニットS+N laboratoryとして2014年から参加している。今年は、熊野古道の「口熊野」と呼ばれる上富田町にある朝来駅を舞台に、同町と地域の高校生等とともに「COME AND GO」と題した駅舎アートを展開。会期中ワークショップも予定している。
選評
一般市民の「アートは難解」という先入観を解こうとするプロジェクトで、創意を促す様々なワークショップを駅や車両、街などで実施している。今回で5年目、すでに地元での認知度は高く、自費を投じてまで「社会に対して画家ができる事」を積極的に推進してきた結果だろう。子どもの心の底に潜む「怖さ」をテーマにした絵画で高評価を得る彼女だが、事業の一例ではその世界観を含ませたシルエットを壁に黒板塗料で描き、そこに子供から老人まで自由に絵を重ねるなど、アートであふれる沿線や街を自分たちで創る喜びを与えた。今回は床を使った展開になるという。こうした地域への継続的な貢献が、やがて全国に伝播していくものと期待したい。(野口 和男)
活動ブログ
活動結果報告
■助成対象プロジェクト
[イベントタイトル]壁画に絵本プロジェクト COME AND GO
[発表の形態]アートイベント・ワークショップ
[日程]2018年8月11日~2018年9月17日
[時間]08:00~21:00
[会場]JR朝来駅
649-2105 和歌山県西牟婁郡上富田町朝来136
[主催]紀の国トレイナート実行委員会 廣本直子
[来場者数] 2,000人
[広報活動]
○助成金で作成した冊子
○紀の国トレイナートパンフレット、HP
○以下の雑誌、新聞、テレビで取り上げられた。
・ソトコト9月号 地域のアートと音楽フェスティバル・ガイド 木楽舎 (2018.8)
・紀伊民報
・和歌山経済新聞
・NHK
雑誌ソコトコでは、S+N laboratoryが本アートイベントの特集ページにおいて、最初の部分で扱われた。社会の情報発信を目的としているこのような雑誌で取り扱われたことは、大きな意味を持っている。また、紀伊民放は、本アートイベントを初期のころから取材するなど、地元への情報発信を安定して行っている。アーティストとしてイベント活動の地に、地域住民に理解を求め共に発展していくという意味において、地元新聞で多くの機会で紹介されたことは、重要な意味があった。
このように、様々なメディアでS+N laboratoryの関わる活動が紹介された。