笹川 治子(ササカワ ハルコ)
1983年01月01日大阪府生まれアーティスト
2015年「戦争画STUDIES展」を東京都美術館と共同主催で企画。2016年東京藝術大学大学院美術研究科博士号取得。同年博士論文「メディアと戦争——戦争画からゲームまで」を執筆。藤田嗣治の《アッツ島玉砕》に描かれたモチーフの検証をはじめ、作戦記録画や戦中プロパガンダにおける虚実について研究した。2017年に戦争画STUDIES展カタログを発行。同年、『いかに戦争は描かれたか』(BankARTschool)編集協力。現在「1940's フジタ・トリビュート展」(2018年7月28日〜8月15日)を計画中。戦争画と深いゆかりの深い東京都美術館で「没後50年 藤田嗣治展」が開催され、作戦記録画もふたたび展示される。この機に現代アートの手法を用いて争いの表象について考える展覧会とする。2019年台湾での台日交流展 「虚構のはずれ」(2019年1月18日〜4月7日)へも参加予定。
【第19回日本文化藝術奨学金受給 (2014年度)】
25周年記念助成対象企画概要
- ◆「1940’sフジタ・トリビュート」<2018/7/28-8/15/東京藝術大学陳列館1•2階(東京都台東区)>
- ◆台日交流展「虚構のはずれ」<2019/1/18-4/7/國立臺北藝術大學關渡美術館(台湾・台北市)>
藤田嗣治没後50年にあたる今年(2018年)は、東京都美術館で大規模な回顧展(7/31-10/8)が開催され、藤田の《アッツ玉砕》が戻ってくる。「戦争」を巡って作り出されたイメージをテーマにしてきた笹川氏は、小沢剛研究室との協働でトリビュート展を企画、自身も現代アートの手法を用いて、メデイアと争いの表彰について考える作品を発表する。また、國立臺北藝術大學付属の關渡美術館で開催される台日交流展「虚構の外れ」に参加し、戦中にもただならぬ関わりのあった台湾と日本の姿を、現代アーティストの立場でアプローチする。
選評
パリ画壇の寵児として活躍した藤田嗣治は、日本美術史に大きな足跡を残すとともに、戦争画や日本との別離など、多くの論争の的ともなってきた。「藤田トリビュート展」は現代の作家たちが藤田嗣治の画業や生涯をもとに、その業績と意味を検証し、藤田が体現した矛盾や問いを現代の視点から再度問い直そうとする試みである。笹川治子は特に藤田の戦争画を中心に研究を行い、その成果を興味深い作品として発表してきた。今回の展覧会の企画においても中心的な役割を担っている。伝統を継承し新たな藝術文化の創造に寄与するという財団の事業の目的にも合致し、近現代の伝統を未来に引き継ぐ意義のある試みとして助成にふさわしい事業と考える。(成田 宏紀)
活動ブログ
活動結果報告
■助成対象プロジェクト1
[イベントタイトル]1940's フジタ・トリビュート展
[発表の形態]展覧会出品作品制作
[日程]2018年7月28日~8月15日
[時間]10:00~18:00
[会場]東京藝術大学 陳列館
〒110-8714 東京都台東区上野公園12-8
[主催]フジタ・トリビュート・プロジェクト、東京藝術大学
[来場者数] 3,732人(関連イベントを含む)
[広報活動]
展覧会フライヤー、ポスター、プレス、ウェブサイト等の広報資料にロゴを掲載。
各地美術館、美術大学、アート施設、ギャラリー、美術研究者、美術関係者に広く配布した。
東京都美術館で同時期に開催された「没後50年 藤田嗣治回顧展」でも配布され、本展をあわせて鑑賞する方が多くみられた。
「朝日新聞」「毎日新聞」「西日本新聞」、「美術手帖」「芸術新潮」「美術の窓」などで展覧会が紹介された。
蔵屋美香氏(ウェブ版美術手帖)や藤原えりみ氏(Real Tokyo)にもレビューを執筆いただきウェブサイトに掲載された。
SNSにも反響があり、多くのコメントが発信された。
また台湾の美術雑誌の取材を受け記事が掲載された。
■助成対象プロジェクト2
[イベントタイトル]台日交流展 「虛寫邊界 虚構のはずれ On the Verge of Fiction」
[発表の形態]展覧会出品作品制作
[日程]2019年1月18日~2019年4月7日
[時間]10:00~17:00
[会場]關渡美術館, 台湾
112 No. 1號, Xueyuan Road, Beitou District, Taipei City, 台湾
[主催]中華民国(台湾)文化部、国立台北芸術大学 関渡美術館
[来場者数]20,000人
[広報活動]
台日交流展「虛寫邊界 虚構のはずれ On the Verge of Fiction」展覧会パンフレット、DM、ウェブサイトなどの広報資料にロゴを掲載。台湾、日本で配布された。
また台湾現地の美術情報掲載ウェブサイトでも告知された。